風船

2006年2月21日 降り積もる結晶
割れるのが恐くて
そっとその手を離した

はじける音は
怯えにしかならないから

しぼむ前に
すっと空に放した

小さくなっていく姿は
とてもとても悲しいから

大きなうちに飛んで行けと
見守って、ずっと見送って

行き先はしらない

誰かの手に収まったのか

未だ空を旅する鳥なのか

ただ
そこに舞う赤は
未だ目に焼きついて

夕日より鮮やかに心に映えて
秋の空のような憂いを帯びた世界を

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