貴方がやさしく笑うから



いたい

いたい

居たい


肩に背負った矢をつがえ放とうと思った


いたい

いたい

射たい


放てば、戻れないとしっていた


いたい

いたい

痛い


中れば、啼くのは僕だった



いたい

いたい

いたい



射抜かれころがり貴方の元へ

だけど貴方は拾わない

だけど僕はもう拾えない




はるか昔
紅い実は、偉大な力を証明したとかしないとか

そして今
紅い実は、僕らの距離を証明したとかしないとか




いたい、いたい、痛い




落ちた鳥は啼きつづけるだろう、嗄れるまで

落ちた実はありつづけるだろう、朽ちるまで



だけど
貴方はきづかない

きづかない?




落ちた鳥も、紅い実も
土に還るそのひまで


貴方はただただ笑うだけ





そして僕に残されたのは、


「いたい」だけ




紅い紅い大海

さらさらとした白砂


甘い甘い思い出

黄色い声をあげていたあの頃


ほんのり苦い君の香に

包まれてみたいと願った


あの海で浮かぶ日を

何度も夢見た



ただ甘酸っぱい

檸檬色の僕

手紙

2005年11月13日 オリオンのみつご
手紙は届いたでしょうか
貴方は読んでいるのでしょうか


私に知る術はありません

もしかしたら
知ることも必要ではないのかもしれません


私はペンしか手に取れず
私には貴方の手をとることは叶わないのです

手紙は届いたでしょうか
貴方は読んでいるのでしょうか

答えのないつぶやきを風にのせ
今日も私は書くのでしょう


愛しい貴方へ…
僕らの間にことばはなかった

今日の天気がどうだという世間話も

今日の服かわいいねというほめことばも

君が大好きだよという囁きさえも

僕らは必要としなかった

音の波が空気を伝うより早く

感情の渦は僕らを取り巻いて

溺れるように

飲み込まれるように

僕らは黙って唇を重ねた

体がとけてしまいそうな微熱は

僕の、そして君のことばだった

僕らの間にことばはなかった

大好きだよという囁きさえも

霧深い山の中

発する声はこだまになって

自分の元に返ってくる

わかっていて生み出すことはできなかった

僕らは黙ってぬくもりを求めた

体に染みいるような微熱は

僕の、そして君の不安だった
薄い灰色の空が

ぼんやり白い月を隠し

明け方の冷たい空気が僕を切り裂いていった



濃い茜色の空が

鮮やかな夕日を抱え込んで

夕暮れの黒い影が僕に染み込んでいった



とどまることのない空に

形ないものに

いつかこの身が吸い込まれてしまうと

そう思った


だから

青い青い空色のサングラスをかけた


見上げれば青い空

いつでも青い空が映る


移り行くものが見えなくなった

愁うことはなくなった


いつでも青い空が映る

いつでも青い空しか映らない




そして

一粒の雨が僕の頬を伝った
くるくるまわる

くるくるまわる

旋律に乗せて
くるくるまわる

ステップ踏むのは上手じゃない
踊らされるのは好きじゃない

いつもの夜の舞踏会
いつもと同じ見世物の僕

くるくるくるくる

くるくるくるくる

明るいシャンデリアと
ガラスの笑顔をまとった僕

くるくるくるくる

くるくるくるくる

どうして
君は来てくれない?

君の手の内で踊りたいのに
夏になりました

貴方との約束

果たせぬまま

今年も

散り行く刹那の花を背に

ひとり散歩しませうか
「のどがいたい」

という僕に

君はのどあめをくれたけれど

なめるのが少しこわい

あめが溶けるとともに

君のきまぐれなやさしさで

僕がとけてしまいそうで
君の手が

そんなに美しいとはきづかなかった

触れたくて

うずく僕の心

綺麗な君の手は

僕が触れたら

壊れてしまうのかな
空の境目
このまま進めば君の家

回れ右は僕の家


前に一歩踏み出すと

おてんと様は悲しんで

とめどなく涙を流し

後ろに一歩足をひけば

おてんと様は喜んで

やわらかく微笑み返す

僕はどちらに踏み出せばいい?
貴方にもらったもの
全部捨ててしまおうか

十字のネックレス
くまのぬいぐるみ

ケータイの壁紙も
大好きだった着メロも

全部全部捨ててしまおうか

今日は雨が降りやまない
雫がぽたぽたおちてくる

にごった水に
全部全部流してしまおうか

貴方がくれた
感情さえも
君のその笑顔が

僕に向けられたものであればいいのに

君のその言葉が

僕になげかけられたものであればいいのに


君が

僕のものならばいいのに
もし、君に声をかけなければ

僕は君を失いはしなかった?

君を得ることも叶わなかっただろうけど

得なければ失うことも無く

苦しみはなかったか

後悔もしなかったか



それはそれで

持っていないものに恋焦がれ

身を焼いていたのだろう
君がよろこんでくれるなら

地の果てまで

探しに行くよ

氷のお城

君が探しているのなら

海の底まで

もぐってみつけだそう

竜宮城

だけど

君が何を求めているのか

僕にはさっぱりわからなくて

わからないから

ここから一歩も動けない
君が笑う

僕は君の笑顔をみるのが好きだ

君が笑う瞬間にたちあえる

至福の時

ほんとは穴があくほど見つめていたい

けれどそれは叶わない

君に悟られてはいけないのだ

君の笑顔を守るため

君を壊れるほど抱きしめたいこの感情

僕は無害だとさりげなく

今日も僕は目をそらす
おはよう
(今日も会えたね)

さよなら
(明日も会えるといいな)

今日も君と交わす
たった一言の挨拶

密かな安堵

切なる願望

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